こんにちは! ドイツの劇場でバレエダンサーとして働く、筆者の川端(@ChihoKawabata)です。
今日も今日とて踊っている最中にぐらついてしまう皆さ~~ん!! これからお伝えする内容を読めば、きっと今からすぐにでも試してみたくなってしまうはず!
題して『踊りが嘘みたいにぐらつかなる方法』です。
ちょっと眉唾ものですよね。ほんとにそんなことが可能なのかと。
大丈夫です。可能です。方法もすごく簡単です。
筆者も付けているこのブレスレットを1万円で…って違う違う。笑
使い古されたボケに時間を割くのはもったいないので、結論を先にお伝えしてしまいますね。
その方法とは…
「バーレッスンの時に、
バーを掴んでいる腕の『ひじを下げる』こと」
これだけです! ええ、たったこれだけですとも!
筆者がこのしくみに気付いたのはつい最近のこと。その瞬間、「今までの30年近い苦労は一体何だったんだ…?」とへこみました。完膚なきまでにベッコベコに。
けれど落ち込んでいる暇もなく踊りが安定し、脚の形も改善されてきたのでもう驚きしかありません。
「ひじ下げるとか…あたりまえやん…」って方はお騒がせしてすみません。どうぞ練習に戻ってください。笑
このヒントは年齢に関係なく、まだまだ伸びしろのある方のお役に立てることは間違いないので、シェアさせていただきますね。
では今から、そのからくりを詳しく解説していきます!
踊りの最中にぐらつく最大の原因
踊りの最中にぐらつく最大の原因は、単純明快です。
「バーレッスンで、バーを頼りすぎている」
そんなことは言われんでも分かっとるわ!! と怒号が飛んできそうですが、落ち着いて聞いてください。笑
バーに頼る時に引き起こされる現象が2つあります。
ひとつめは「肩に力が入る」こと。
ふたつめは「軸がずれる」ことです。
その2つをバーレッスンのあいだじゅうしていると、いざセンターに出たときに肩に力を入れなくては踊れないし、軸が作れていないので当然踊りながら探らなければなりません。
準備を正しい方法で行えていないのですから、センターでも安定しないのは当然の結果です。数学で言うならば、公式自体を間違って覚えてしまっていたとしたら、答えはいつまで経っても解けないままなのです。正しい場所へと、身体を導いていきましょう。
なぜ肘を下げるのか
それではここから本題の「なぜバーを持つ腕のひじを下げるのか」です。こちらの理由も、至ってシンプル。
「ひじを下げると自然に、肩が正しい位置に導かれるから」
『正しい肩の位置』については以前お話ししていますので、こちらの記事を参照してくださいね。
その記事では要するに、背負っている「つもり」のリュックをおろすしぐさをしてみる。すると肩がぐるりと外側に回るはず。そこが肩の本来あるべき位置であり、上体のパフォーマンスを左右する重要な鍵になる――といったことをお伝えしています。
つまりリュックを下ろすのと同様、バーを持つひじを下げると、肩がおのずと外側に回るようになっているんです。
皆さんの中にはもしかしたら、
「バーを持つアームスは、センターと同じように使わなければいけないから、ひじも常に上でキープしておかないといけない!」
と思いこんでいる方もいらっしゃるかもしれません。(っていうか筆者が実際そうでした…)
でもその考えは、全く逆です!!!
ひじを上げてバーを持つと、肩が前に回って、巻き肩になってしまうんですよ! 不思議と!(いや不思議っていうか多分ちゃんと解剖学的にそうなってるんやろけど)
巻き肩が1枚目の画像。2枚目と比較すると、こんなにも違いがあります。
×肩が前に回っている ○肩が後ろに回っている
無意識のうちにバーに頼る、が解消される
ひじを下げてバーを持つ利点は他にもあります。それは先ほどご説明した「バーに頼ることで引き起こされてしまう現象2つ」をズバリ解決するものですが、3つめもかなり重要!
- 肩に力が入りにくくなる
- 入ったとしても、すぐに気付くことができる。おそらく、ひじを上げていると肩だけでなく腕全体に力が分散されるので、気付きにくいのではと思われる。
- バーを頼らないことで本当の軸が見えてくる
- 失敗の精度が上がる。身体が傾くときに「どの方向に倒れていってしまうのか」という点に着目できる。バーを掴んでいると、それがごまかされてしまう。
- 活きたターンアウトができるようになる
- 肩が正しい位置にあると、上体が縮こまらずに、しかし引き締まって使えるようになる。上体=背筋、腹筋、体幹、骨盤から脇腹にかけてのサイド…もうとにかく上体全てと言ってもいいぐらい!笑
- すると下半身の負荷も少なくなり、脚を「伸ばす」ことが可能になる。脚が伸びていると床を押すことができ、床を押して初めて本物のターンアウトができる。
今ターンアウトだと思っているものは、もしかしてバーから手を離した途端にくる~っと戻っていってしまう『ターンアウトもどき』じゃございませんか~!?
軸足のつま先は真横を向いてなくてもいいんです。ななめ45度まで戻しても、ちゃんと脚を気持ちよく伸ばせるところ(ガチッと固めるのではなくてね)で自立しましょうね。
早速試して、違いを実感してみてください♪ ほんとに、ぜーんぜん違うから!
参考までに、一応写真を掲載しておきます
お手本がないと不安な方のために、朝イチの寝ぼけまなこで写真撮ってきましたんで!

Q. ひじはどれだけ下ろせばいい?
→極限まで下ろしちゃって大丈夫。目安は、「肩から力が抜けた」とはっきり感じるところまで!
Q. その場合バーを持つ位置は?
→ひじを落とすと、自動的に側腹部のあたりまでくるはず。そうしたら手はこんなふうに、少し前になります。バーの上から、添えるだけ。

…ってまさかのエア・バー。笑
まとめ
さっ、では簡単におさらいをしておきましょう!
ぐらぐらふらつかず踊るようになるためには、軸をバーレッスンのうちに作らないといけない。
そのために、バーを持つ腕のひじは、必ず下げる。
ひじを下ろすことで肩がほぼ自動的に後ろに回り(巻き肩解消!)、力まなくなるだけでなく、上体全ての筋肉が目覚める。
下半身への負担も軽減され、伸びやすくなった脚で床をしっかりと押してターンアウト。
それもこれも、バーを持つ腕のひじを下げただけで! ですよ! 嘘みたいでしょ!
あっ、もちろん今日明日でぐらつきが解消されるわけではございません。瞬時に解決する、とはわたくしは一言も申し上げておりません。笑
でも『違い』はすぐにでも気付くはずです。その姿勢をしっかりと身体に染み込ませ、速く正しく上達しちゃってくださいね。自由に楽しく踊るために!
筆者もプロとはいえ、まだ道の途中。この道のりを、ぜひ一緒に楽しみましょう♪
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