こんにちは! ドイツの劇場でバレエダンサーとして働く、筆者の川端(@ChihoKawabata)です。
バレエは、考え方をすこし変えるだけで驚くほどやりやすくなるもの。
筆者のアプローチがそのままあなたの身体に合う、とは限りませんが…
それでも記事を読んだ方からは「こんなにラクに脚を上げられるなんて」「すぐに身体のラインが違って見えた」など嬉しいコメントもたっくさんいただいております♡(Twitterさまさま)
こちらこそまだまだ勉強中の身ですが、大変ありがたいことです…!
「できるだけかんたんに、おもしろく」を目指して書いていますので、分からないことがあったら教えてくださいね。(おい、すべってんぞ!ってネタも恥ずかしいからこっそり教えて笑)
では今回は『フェッテ』をするコツについてお話ししていきましょう!フェッテがきまると、最高にかっこいい!!
フェッテ――といいますと、パドドゥのラストの見せ場と言っても過言ではないあの32回転、フェッテ・アントゥールナン…!?
と思いきや、いえいえ今回はこちら。↓
前にバットマンした脚の高さと方向を同一に保ちながら、アラベスクまで180°反転させるほうのフェッテです。
後ろから前に、のバージョンもありますが、そちらの出現頻度はそんなに高くないですね(RPGのモンスターじゃないんだから)。あ、でもバーのフォンデュやアダージオでよく出てくる強敵か…。まあ考え方は順序を逆にするだけなので!
このフェッテはいわゆる「ダイナミックな大技」の部類には入らないかもしれません。
…ですが、地味に難しいことも確か。
フロリナ王女のVa.では前半の主要なパですし、キトリの第3幕Va.でも、フェッテで魅せる振付の版もあります。ジゼルのウィリ達が踊る場面では、アリ地獄ならぬフェッテ地獄が待ち受けています。
地味だけど、きまれば最っ高~~~にかっこいい!! それがフェッテ!!笑
フェッテの言葉がもつムチという意味のごとく「しなり」や「キレ」を強調するパですから、ドタドタやごちゃごちゃは厳禁。無駄なくスマートに、が目標ですね!
では次から早速、考え方のコツを4つ! 見ていきましょう♪
コツ①反転のイメージをつかむ
最初のコツは、正しい反転のイメージをつかむこと!
フェッテで反転する、というと皆さんは次の2つのイメージを思い浮かべると思いますが…
- 軸脚を固定して、片開きのドアを押し開けるように反転する
- 身体の中心を固定して、回転ドアのように反転する
目指すのはズバリ、1の、片開きのドアを押し開けるほうです!
イラストで説明していきますね。ここでは左脚が軸で。下段のブロックは、真上から見た腰と脚の位置関係を表したものです。
まずは腰の右側(緑の正方形)の軌道にだけ着目してみましょう! 緑の矢印で示しています。
腰の左側(紫の正方形)を軸にして、右側が半円を描いているのがお分かりいただけますか? ドアをバーンとめいっぱい開け放つかんじ、しません?
対する回転ドアのイメージだと、紫と緑のブロックの位置が入れ替わることになります。つまり軸がずれ、バランスも見失ってしまうんです。
ですのでドアを押し開けるように、動脚の腰が半円に動いていくのをイメージしてみてね。軸が同じ位置でキープできるので、下りるときまで軸の上に立っていられます。
ドアを開いて新しいフェッテの世界へ!笑
僅かな差ですが、違いを実感してください♡
コツ②腰と脚を連動させる
2つめのコツは、フェッテをしているあいだ腰と脚を連動させること!
連動とは、Aを動かすと、Aと繋がったBも一緒に動くことをいいます。その連動を、腰と脚でしてほしいのです♡
では先ほどと同じイラストですが、次は灰色の矢印を見てください。
緑の長方形は右脚ですが、いかがですか? 緑の矢印、つまり右の腰と全く同じ動きをしていますよね。これが連動です。
もしかしたら、フェッテのあいだ「バットマンした脚をその場に置いたまま反転する」と考えていたり、教わったりする方も少なくないかもしれません。
でもそれだと脚が残って反転しきれなかったり、軸がずれてバランスを崩したりします。
実際にはイラストのように、90°回った横の時点では一瞬、脚が遠くなるのです。腰と連動して、自然とそうなるんです。
あくまで腰が先ね。✖「脚が動くから腰が動く」んじゃなくて、○「腰と脚は連動しているから、腰が動けば脚も動く」の。この理屈を知っていることがむっちゃ大事!!
- バットマン
- 横を通って
- アラベスク
と説明に書いてある通り(いつの間にか一句詠んでる笑)、1・2・3と手順を踏んでくださいね! 2をすっ飛ばしちゃだめなんです~!
バーに脚をのせてやってみると、どれだけ動くかっていうのがとてもよく分かりますよ。それでイメージをつかんでみてね。
→次ページから後半戦! だいじょぶ? 疲れてない!?笑
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