こんにちは! ドイツの劇場でバレエダンサーとして働く、筆者の川端(@ChihoKawabata)です。
バレエは、考え方をすこし変えるだけで驚くほどやりやすくなるもの。
筆者のアプローチがそのままあなたの身体に合う、とは限りませんが…
それでも記事を読んだ方からは「こんなにラクに脚を上げられるなんて」「すぐに身体のラインが違って見えた」など嬉しいコメントもたっくさんいただいております♡(Twitterさまさま)
こちらこそまだまだ勉強中の身ですが、大変ありがたいことです…!
「できるだけかんたんに、おもしろく」を目指して書いていますので、分からないことがあったら教えてくださいね。(おい、すべってんぞ!ってネタも恥ずかしいからこっそり教えて笑)
今回のテーマは『正しい骨盤の位置』♪
肩の意識で上半身のパフォーマンスを引き出したら、お次は下半身に移りましょうということで!
基礎をしっかりみっちり身に着ければ着けるほど、応用も自在になります。つまり、もっと自由に踊れる未来が待ってるってことなんです♡
この記事で、骨盤のあるべき位置をぜひチェックしてみてくださいね。
骨盤の位置次第で脚が軽くなる!
素朴な疑問なのですが、皆さんのバレエのお教室では「骨盤の位置や傾き」について、基本のキとしていやというほど叩き込まれますか?
Twitterで実施したアンケートでは87票集まり、こんな結果が出ています。
骨盤の意識は大事だと考えている指導者やダンサーの割合が、圧倒的に多いことがうかがえますね。
でも、どうして骨盤の意識がそんなにも大事なのでしょう?
答えは簡単です。
なぜな身体機能に影響する割合がむちゃくちゃ大きいから! 骨盤の傾きひとつで上がる脚も上がらなくなる。それくらい骨盤は重要な体のパーツってことなんです。
色々上げるときりがないので今回は、脚の重さについて取り上げますね。
たとえばこんなお悩みはありませんか?
- バレエで脚が引き締まると思っていたのに、前ももに筋肉がついてムキムキな見た目になってきちゃった…
- 頑張ってるのに全然脚が上がらない…
- 動きが全体的にドタバタして優雅さのかけらもない…脚が重いせい?
ひょっとすると原因は、骨盤の傾きにあるのかも。
骨盤の傾きが正しくないと、骨盤と繋がっている多くの筋肉――それも踊る上で非常に頼もしい味方になってくれる筋肉!――が全く活かされません。平たく言えば、脚がすごく重た~くなってしまうんです!!
ウエイトを付けて筋トレしているのと同じことなので、そりゃ筋肉は鍛えられて大きくなってしまいますよね。
ということで、クラシックバレエに必要のない筋肉とは、今すぐ縁を切りましょう。筋肉ミニマリストになるのです!笑
それに脚が重たいまま宙でキープなんてしていたら、負担のせいで身体のあちこちに痛みが生じます。泣
痛みをがまんなんてしていたら、踊る喜びも半減ですよね。
次の項目からご紹介するかんたんな方法で、ご自身の骨盤の位置を見直してみてくださいね♪
手っ取り早く骨盤の正しい傾きを知る!
過去にはこういったツイートもしていますが、もっともっとかんたんに、どなた様にもはっきり理解できるように…
仰向けに寝て確認する方法
があります♪
手順はたったの4ステップ。スマホを見ながらでもできるので、早速寝転んでみましょう♪
- 仰向けに寝る
- 両膝を立てる
- 足はおしりの近くに置くとやりやすい
- 足や膝同士はくっつけず、骨盤の広さで平行に保つ
- 肩・背中・腰・おしりの始まりまでを隙間なくべったり床につける
- おへそを背骨のほうへ近付ける
- 強いゴムでまとめられているみたいな感覚
- 呼吸はおへそより上だけでもできる
はい! この位置です!!
感覚的には、そのままブリッジをするようにおしりが宙に浮いちゃいそうなんだけど、まるで磁石でくっついているみたいに床から離れない。そんなイメージです。背中や腰はす~っと長く伸びてます。
「おへそを背骨に近付けているだけ」にしては、結構腹筋使ってません? でも、ただ単に腹筋に力を入れる、いわゆる「ガチッと固めて(縮めて)使う」のとは大違いですよね。
ですのでたとえば、この姿勢から上体を丸めながら起こす腹筋トレーニングなどは、バレエでは全く役に立たないのです。フンフン鼻息も荒く頑張っていた方には朗報ですね、もうしなくていいですよ♡笑
先ほどのツイートで、まわしの前のところを持って上に(この場合は頭の方に)引っ張ると言っていたのは、なんとな~くでも分かっていただけましたか?
まわしがいやだ、というわがままな方は、もうタイツでもパンツでも何でもいいから。笑
とにかく前側を持って、上がるところまで上げきってみてください。で、なおかつ腰は長く! そうしたらほら、なんだか視界がいつもより高い♪
腹筋・背筋共に、長く伸ばして使う。ダンサーのしなやかさの極意はここにある、と言っても過言ではありません。移動中や、椅子に座りっぱなしのスキマ時間もフル活用して、ぜひ骨盤の傾きを意識してみてくださいね。
ニュートラルポジションとの明確な違い
ピラティスではこれに近いニュートラルポジションというものがあり、同じように仰向け・立て膝ですが、床と腰の間には、パーに開いた手を差し込んだぐらいの薄さのスキマを作ります。こちらは解剖学的に正しい位置で、この姿勢を推奨している指導者さまもいらっしゃるみたい。
バレエは並外れた動きをしているように見えて、あれでかなり解剖学に則っています。笑
ですので「解剖学的に正しいからニュートラルポジションで」という意見を否定したいわけではありません。
しかし…脚を動かしてみると、その重さに明確な違いが出ることは紛れもない事実です。
先ほどの仰向けの姿勢で、片膝を立てたままで、もう片方の脚をを天に伸ばしたり横に倒したりと、実際に動かしてみていただけますか? 前にグランバットマンしてみるのも分かりやすいかも。
腰にスキマを開けたニュートラルポジションと、筆者の言うまわしを持ち上げた位置。
2つを比べてみると、股関節の詰まり具合や脚の自由度はかなり違ってくるはずです。
骨盤周りから大腿骨に繋がるたくさんの筋肉で、脚全体の重さを吊り上げられている証拠だと筆者は考えます。
どちらを選ぶかはもちろん、あなた次第。まずはどちらも試して比べてみることが肝心ですね。
その姿勢のまま、ついでに仙骨も意識してみて!
仰向けの姿勢を保ったまま、ぜひ着目してほしいのが仙骨周り。仙骨というのは背骨の末尾にくっついている骨で、前後から見るとハートの形をしています。下のイラストの、赤く着色された骨がそうです。
この骨盤の位置だと、その仙骨周りの筋肉が縮こまらず四方八方にじわ~っと広がっていくような感じがいたしませんか? 仰向けなら、まるで地面に根っこが伸びていくみたいに♪
実はこの『仙骨から広がる』感覚、とっても重要ですのでよく覚えておいてください。ポジションで立っているときから、動作に移っても。ここが縮まると、身体ってすぐに歪んでしまうんです。
回る跳ぶといったテクニック要素が強くなればなるほど、フォーカスすべき部位なんです!
この骨盤の位置のまま立てばいいの?
実際に立つときには、筆者はこの骨盤の位置で立つよう心掛けています。
特にデリエールはバットマン・デガジェ(タンジュ)から前傾しがち。可能な限り前傾させず、脚を戻すときもなるべく骨盤の傾きをすぐに戻すように。その際は仙骨と、お腹側のまわしの筋肉も意識しながら。
しかし「肩の位置」は寝ていたときよりも、やや後ろにある感覚がします。あくまで筆者の体感ですが、まるで背負っていたリュックを下ろすみたいにして肩を開くと、肩甲骨のあたりからリクライニングチェアに身を預けているかような抜け感が生まれます。
関連記事:【バレエ】〇〇に全集中の呼吸すると、上半身のパフォーマンスが最大限引き出される…!?
脚は軽く、上体はリラックスしている。もう考えただけで、すっごく楽しく踊れそうですよね! 理想じゃないですか♡ 筆者これを書きながらニヤニヤが止まりません~!笑
この骨盤の位置で踊るメリットは、まだこんなにたくさん! 個別に記事を出しますね。
- もっとアンディオールができる
- ジャンプが軽く高くなる
- 安定して回れるようになる
- 脚を細く長く見せられる
アンディオールより先に体に教えたい『骨盤の傾き』! しっかりチェックしていきましょう♪
終わりに
いかがでしたか? 骨盤の位置についてご説明してきましたが、最も関心を寄せていただきたいのはその先にある「骨盤と大腿骨を繋げている筋肉」です。この大きく強い筋肉たちをいかに働かせるかで、脚の重さが変わってくるというわけなんです。
あっ…でも、
一言申し添えておきたいのが、筆者の考え方のせいでお教室の先生とトラブルになってしまうことは避けてほしいということ。「いやドイツのプロダンサーがこう言ってましたんで!」みたいな、先生からしてみれば「じゃあ来なくていいです!」と返したくなるような感じ悪~い言い方は絶対絶対やめてくださいね。「あ~少し試したいことがあるんです~」くらいぼやぼやにぼかしてください。笑
話がそれてしまったので、最後にもう一度確認しますね! 今日はこれだけでも覚えて帰ってくださいっ♪
骨盤の傾きをコントロールすることは、何より大事なバレエの基礎!
おへそは強めのゴムで背骨にくくりつけ、まわしの前を持って上げきると正しい感覚になる
こちらを仰向け・立て膝・腰までべったりの姿勢でチェックするのが分かりやすい、ということでした。
フィードバックなどいただけるととっても嬉しいです。それではまた~!
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