こんにちは! ドイツの歌劇場で専属バレエダンサーをしております、筆者の川端です!
タイトルはもちろん、鬼滅の刃人気にのっかってみたわけですが…笑
今回の記事はプロアマ初心者問わず、バレエの上達を目指す方は必読といっても過言ではありません。
もちろん、美しい立ち居振る舞いを身につけたい全ての方に胸を張っておすすめできますよ!
テーマはずばり、『姿勢』。
姿勢を改善するため、そして上半身の筋肉パフォーマンスを最大限発揮するためには身体のとある部位を意識することが一番の近道であり、解決になります。
難しいことは何もありませんので、ささっとご説明していきたいと思います!
姿勢の良し悪しを決定づけるのは、実は〇〇
皆さんの中には、「姿勢がいい人」の代名詞としてバレリーナを思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか? 街角で見かけたら(しかもおだんごを結っていたら)思わず目に留めてしまうくらい、抜きんでた美しさですよね。
ではなぜダンサーの姿勢がいいか、理由は分かりますか?
「いやいや、そりゃ腹筋や背筋を鍛えてるからでしょ?」
結論としては、そうかもしれません。しかしそのふたつをいくら鍛えたところで、あるスイッチを入れなければ姿勢良くは見えないのです。
今から早速答えを言いますが、「普段から意識している」という方は少ないかもしれません…。
そのスイッチの正体は、『肩』。
肩のスイッチをONにしておくだけで、身体は自然と正しい位置に導かれ、筋肉は次から次へと連鎖反応を起こして自動的に鍛えられてゆくのです! 昔懐かしの木のおもちゃに「パタパタ」ってありますよね、木の板がひっくり返っていく。あんな感じです!笑
意外な答えでしたか? それとも納得でしたか?
では次の項目から、肩をどういうふうに意識すればよいのか具体的に説明していきたいと思います。
どうやってスイッチを入れるの?
では『肩のスイッチ』はどうすれば起動するのでしょうか?
しくみ自体は、とっても簡単。
「巻き肩を矯正すること」です。そのための肩のストレッチなどはYouTubeなどで山ほど見ることができますので、ここでは割愛しますね。
意識の革命に必要なのは、このたった一言だけ。
「リュックを下ろす」
巻き肩というのは要するに、リュックをよいしょと背負っている状態。架空の肩ひもを両手で握り、下ろすしぐさをしてみてください。そこが本来の肩の位置なんです。
内側に向いてしまっている肩を外側へ。たったそれだけで姿勢は正しい位置へと導かれ、それによって必要な筋肉も自然とついていきます。
逆に言うと『巻き肩』はあなたの上半身の筋肉全ての働きを邪魔してしまいます。せっかく筋肉があったとしても発揮されない。宝の持ち腐れなんですね。
バレエのクラスを受けていると、「肩が上がってる」「肩で踊ってる」なんて注意されることはありませんか?
その解決法も「肩を下げる」ことではありません。「肩を外側に巻く」ことだったんです。そうすれば解剖学上、絶対に肩は上がらないはずですから。
写真で見ると分かりやすい
では今から実際に比較してみましょう。
まずはポーデブラを正面から。ぱっと見は一番分かりにくいかもしれませんが筋肉の働きは全然違います。
巻き肩は首に力が入りやすい。それがあるべき肩の位置だと首から力が抜け、脇腹も使えます。
踊っているときに「頭(顔)が前に突き出てしまう」方も、巻き肩の可能性大です!
次は後ろから見たところ。肩甲骨の位置が全然違いますね。背筋や腰も丸まってしまい、色々な筋肉が活かされません。巻き肩のまま踊り続けていると背骨が外に引っ張られ、椎間板ヘルニアになってしまうかも!
そして横からの視点。よく「耳は肩の真上に」と言いますが、巻き肩ですと残念ながら叶いません。
お腹も引っ込んでしまっていますね。しっかり床を押して立つには肩の意識が重要だと分かる一枚です。
アンオーになると、腹筋の寄り具合や腰椎の丸まりが顕著に分かりますね。この姿勢だと上半身はおろか、下半身のパワーも活かせません。
「地に足がついていない感覚」というのはこれが原因の場合が多いのかな、とも筆者は思います。重心が下に抜けていかないので、ふわふわとしてしまうのですね。
コンテンポラリーダンスを踊るときは、わざと巻き肩や背を丸めている振付も多いので、重心を落とす感覚を掴むのが余計に難しくなってしまうのかもしれません。
そうしたら、最後に斜めからのアンバーを。余計な力が抜けることで、首の位置もスマートに決まります。(自分で言ってて恥ずかしいなこれ)
まとめ
いかがでしたか? プロのバレエダンサーにも「なるほど!」と驚いて頂ける記事になっていたら嬉しいです。そして巻き肩や猫背な姿勢を、少しでも改善したいと願う方のお役に立てれば幸いです。
姿勢というのは、ちょうど髪の毛の寝ぐせに似ています。一定の状態が長時間保たれることで、筋肉はその状態を維持しようとするんです。
「腹筋と背筋を鍛えれば姿勢が良くなる」というよりも、「良い姿勢でいれば自然と腹筋・背筋が身についていく」の方が正しい表現になります。
そのために、もう一度…
合言葉は「リュックを下ろす」!!
もしくは「肩に全集中の呼吸」で!!!笑
スマホやパソコンと密接に関わる方、教科書や本・楽譜と長時間向き合う方、バレエがうまくなりたい方…
全ての肩へこの記事を捧げます。それでは、また~!
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