ヨガがダンサーや音楽家などのパフォーマーに適している理由

バレエ

こんにちは! ドイツの劇場でバレエダンサーとして働く、筆者の川端(@ChihoKawabata)です。

皆さんは『ヨガ』にどういったイメージをお持ちですか?

「筋トレ?」「ストレッチ?」「ナマステ~」「ちょっと宗教的…?」「多分とりあえず健康的」

これらは以前、筆者自身がヨガに対して漠然と抱いていたイメージです。

そんなぼんやりとしたイメージも、実際始めてみて、ヨガへ近付くにつれ輪郭がはっきりとしてきました。筆者さすがに近眼なだけありますね。(知らんがな)

様々な効果があり万人におすすめできるヨガなのですが、今回は特にダンサーとしての自分にとってプラスに働いたことをお伝えしたいと思います。

題して「筆者が1年以上ヨガを続けた結果、実は舞台に立つ人や演奏家などのパフォーマーにこそおすすめできるものなのだと感じた理由6選」です!

ヨガとは

ヨガの歴史をここで語るわけではございませんが…。(よく知らんし)

筆者がヨガをするきっかけは、かなり軽いかんじでした。バレエ監督である上司がヨガインストラクターの資格を取るというので、「しょうがないちょっと練習に付き合ってあげるか」という。(彼が絶え間なく指示を出しつつポーズを見せたり、生徒のポーズの形を修正してあげたりといった練習です)

初めてのプラクティスで言われたことは、上司が「心身のバランスを取るためにヨガをしている」ということ。プラクティス中は常に自分の呼吸をコントロールすることが、ポーズの完成度なんかよりずっとずっと大事なことなんだそう。(だからといってポーズがどうでもいいというわけではなく、がむしゃらになんかすごいポーズをするのが目的ではないということですね)

呼吸・姿勢・瞑想を通して自分と向き合い、自己を正しく導き、心と身体の調和を図る。

もちろんヨガにも様々な流派があるけれど、彼が目指すのはそこだという話を聞き、「なんか予想してた健康の、更に上をいく健康を目指すんだな…」と小学生並の感想を抱きつつプラクティスは始まりました。

皆さんにも「おっ、なんか思ってたのと違うかも?」とおそらく感じていただけたところで、次項からは「なぜパフォーマーに向いているのか」という点を掘り下げていきたいと思います。

なぜヨガがパフォーマーに向いているのか

「どんな時でも呼吸を続ける」練習になる

「プラクティス中は常に呼吸をコントロールすることが大事」と先ほどお伝えしました。

コントロールとは具体的には、呼吸が一定になるよう注意すること。途中で止めたりしてはならず、そのためには動きながらでも自分が今どんな呼吸をしているのか、絶えず観察しなければなりません。

動いている間の呼吸、まで言えばもうピンときた方もいらっしゃるかもしれませんね。

そうなんです。パフォーマンス中の呼吸はなにより大事な生命線。本番の緊張や難しい動きに気を取られて呼吸することを忘れてしまいますと、体力のペース配分が崩れてしまいますよね。

ですのでどんな時でも呼吸を続ける」練習になるというのがまずひとつ。ついつい呼吸を忘れがちだという方は、ぜひ。

「身体の隅々に神経を巡らせる」練習になる

ヨガの最中に取るポーズのことを『アーサナ』といいます。呼吸に集中しつつも、このアーサナをなるべく正しい位置にもっていくことがプラクティスの目的のひとつになります。

「肘を外側に向ける」「手は上方に向かって引っ張り続けたまま」「背骨を長く伸ばしながらツイスト」などなど…。動きの中で気をつけることは多々ありますが、普段通りに生活しているだけでは決して意識を向けることのない身体の末端や奥深くを意識していくことになります。

パフォーマンスで身体を意のままに操るには、身体の隅々にまで神経を配る必要があります。ですが電線のないところに電気は通りませんよね。ヨガは、身体の内部の電気配線工事みたいなものなんです。

身体の隅々に神経を巡らせる」練習になる。これが2つめです。身体をよりコントロールしたい方にはおすすめです。

「身体のゆがみやくせを直す」練習になる

左右非対称な姿勢で長時間いなければならない演奏家にとって、身体のゆがみは多くの方の悩みの種ではないでしょうか。

ダンサーもまた自分の利き脚に頼りすぎたり、痛みや怪我をかばう踊りを続けたせいだったりといった理由でいともかんたんに、身体自体にゆがみやくせがついてしまいがちです。

アーサナを通して左右の違いや弱い場所、負担がかかりすぎている場所などを発見することができますよ。

身体のゆがみやくせを直す」練習になる。3つめは、長く現役でいるためにも欠かせない要素です。均整の取れた身体を目指す方はぜひともヨガを。

「自分のありのままを受け入れ、他と比べない」練習になる

メンタルとは日頃からうまくお付き合いができればよいのですが、それもまた難しいものです。特に向上心の強い方などは、練習や本番、試験やコンクールなどで他人と比べて焦ったり落ち込んだりしていませんか?

上を見ても下を見てもわんさか人がいる。他人と自分を比較するなと言われても、マイペースを貫くことは至難の業ですよね。

ヨガのプラクティスを受けていると、「自分のありのままを受け入れて」と事あるごとに言われます。身体のゆがみに気付いても、無理に直さずそのままを受け入れる。今日はあまり集中できないかもしれない。それもそのまま受け入れる。前回よりもできていないと感じるかもしれない。それでもいい。そのまま受け入れる。

他人と比べるどころか、過去の自分と比べることすらしません。ただ現状の一切を受け入れるのみです。

自分のありのままを受け入れ、他と比べない」練習になる。これが4つめです。どうしても比較してしまって苦しくなるあなたにぜひおすすめしたいです。

「失敗に対し寛容になる」練習になる

ひとつ前の「ありのままを受け入れる」からの派生になりますが、ガチガチに凝り固まった「失敗=悪」の構図が和らぎ、失敗耐性がつきます

失敗を受け入れることはとても難しいことですよね。プライドをもって取り組んでいるのなら尚更。

筆者もプロのダンサーとはいえ何でもできるわけではなく、レッスンやリハーサル中に失敗すると「はい世界一へたくそなバレリーナ~!!」「この脚切り落としたろか!!」「役立たずな頭脳め串刺しにしてくれる」と自分を責めてばかりでした。(バイオレンスが過ぎる)(けど多分みんなこんなもん)

でもこれは感情と時間の無駄遣い!!

練習中から、絶対にミスは許されない本番でも…。失敗に動じないことで、冷静かつ迅速に軌道修正を図ることが可能になります。(省エネですとても)

あともうひとつ大事なこと。他人の失敗にも、寛容になれます

筆者は以前誰かと組むとなると、「相手のミスのせいで自分も失敗した」と思うのがいやで、極力頼らずに踊ろうとしていました。自分のミスもそうですが、とにかく『失敗』に対する強い嫌悪感があったんです。

けれど失敗そのものに寛容になり相手を頼れるようになると、自分ひとりだった力がふたり分になり、2つの眼でしか見れなかった視野が4つ分に広がった。作品が何倍もよくなったように感じたし、リラックスして踊れるようになったことで楽しさも増しました。

個人のパフォーマンスだけでなく、「舞台そのものを良くするために」失敗に動じないことはとても大切なんですね。

「失敗に対し寛容になる」練習になる。5つめは、自分も仲間も信じたいというあなたにうってつけです。

「今に集中する」練習になる

実はヨガは集中力を鍛えるトレーニングとしてもぴったりなんです。

失敗を引きずったり、次に難しいパートがくるぞと身構えたり…本番の大事な場面で、過去や未来に気を取られている場合ではありません! ありません、が、今に集中しきれていないと不必要なことを考えてしまうんですよねこれが!!!(あるある~)

瞑想と組み合わされることがほとんどであるヨガのプラクティス。呼吸に集中し、アーサナに集中し、瞑想に集中する。最初から最後まで一貫して、「今に集中する」練習をしているんです。

ところでみなさんは、極限まで集中した状態を指す『ゾーン』という言葉をご存知でしょうか?

トップアスリートたちが「ゾーンに入って~」と勝利の理由に挙げることもあり、耳にした方もいらっしゃるかと思います。無我の境地と呼ぶこともあるみたいですね。

まあ知らなくても全然いいんです。要は最高のパフォーマンスを引き出す下地には、最高に集中した状態が不可欠ということが言いたいだけですから。笑

もちろんこれはアスリートのみならず、パフォーマーにとっても同じことが言えます。

自力で集中状態をコントロールするのはなかなか難しいですが、何事も練習あるのみですね。集中力も、練習することで向上するとは!

今に集中する」練習になる。最後の6つめです。集中力を鍛え、なるべくベストコンディションで本番や練習に臨みたいという方。また過去や未来への不安から緊張にとらわれたくない、という方にもヨガはおすすめです。

まとめ

パフォーマーがヨガをするメリット6点を挙げてみましたが、いかがでしたか?

最後にもう一度おさらいだけしておきますね。

筆者がパフォーマーにこそヨガを試してほしいと考えたのは、

  1. 「どんな時でも呼吸を続ける」練習になるから
  2. 「身体の隅々に神経を巡らせる」練習になるから
  3. 「身体のゆがみやくせを直す」練習になるから
  4. 「自分のありのままを受け入れ、他と比べない」練習になるから
  5. 「失敗に対し寛容になる」練習になるから
  6. 「今に集中する」練習になるから

です! 心当たりのある方は、ぜひ前向きに検討してみてくださいね。

冒頭にも書きましたが、心身共に調和のとれた健康を目指すヨガは、万人におすすめできます。

普段は舞台に関係ない方にも、気(エネルギー)を身体に取り入れたり感情のコントロールをしたりときっと役に立つはずですので、もしこの記事で興味を抱いてくださった方がいらしたら幸いです。

それではまた! ナマステ~!

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