ドイツからこんにちは! どうも筆者の川端です。
「海外にいる日本人って冷たいし、全然助け合いの精神がないよね」
うろ覚えなのですがこういった旨の呟きをTwitter上でお見かけして、その時はあまり気にならなかったものの、時間差でモヤモヤが膨らんできてしまいました…。
今回はタイトルにもある通り『海外にいる日本人は薄情なのか』ということについて、自分の体験談も交えながら、相変わらずゆる~くお話していきたいと思います!
助けられまくりの学生時代、そして就職してからも
15歳でドイツのバレエスクールに留学した筆者は、クラスメイトの日本人に助けられっぱなしでした。
――バレエは生き残りを賭けた競争社会で、トウシューズのリボンを切られたり、衣装は切り裂かれたり…
といった陰湿な、漫画の中でありがちな嫌がらせなどは一切なかったです!笑
むしろ正反対!
留学の準備期間が1、2か月程度しかなかったため、ドイツの予備知識はもちろんドイツ語の勉強などしていなかったに等しい筆者。
右も左も分からず、クラスにまだ馴染めてもいないある日、先生に「このソロを踊れますか?」とドイツ語で尋ねられるできごとがありました。
「千帆! 『ヤー』って言え!!」
私いま何か聞かれてる…? と目を丸くしている筆者にそう声をかけたのは同じ日本人のクラスメイト。『ヤー』=イエスと答えろ、という彼女の助け船で筆者はスクール公演でソロを踊る機会を得ました。
けれど元々そのソロを踊る予定だったギリシャの子がキャストから外されてしまい…。それを理解した瞬間、背中が寒気立ったのを15年経った今でも鮮明に覚えています。
それが留学当初のいちばん強烈な思い出ですが、他にも、ルームシェアをしてアパートの契約や生活面で困ったことをカバーしてくれたクラスメイト。オーディションを受けに行った地で連絡先を渡してくれ、契約を頂いた際は筆者ともうひとりをアパート探す間快く滞在させてくださった方。年がかなり離れていても気軽に相談に乗っていただける同僚…。
幸運と言われればそれまでかもしれませんが、筆者が海外で出逢ってきた日本人は色々な面でほんとうに良くしてくださいました!
めっちゃ胡散臭い響きですが、彼ら彼女ら全員筆者の『心のファミリー』だと思ってます。笑
やられたらやり返す…恩返しだ!
ドイツに慣れてくるともちろん今度は「受けたご恩を次の世代に伝えていかねば!」とぶるるんぶるるん鼻息も荒く奮起するわけです。
日本人のみならず、ドイツに来たてで困っている方など、できる範囲でお手伝いしてきました。
それが実を結んで嬉しい結果になったこともあれば、頭を抱える結果に終わったこともあります。
この後者の破壊力はすさまじく、筆者も最近では「もう…つかれたよパトラッシュ…」と疲弊し、あまり進んでお手伝いなどしたくはなくなって参りました。
これから体験談と言う名のハイパー言い訳タイムに突入しますが、あまり深くは考えず笑って頂ければ幸いです。
残念だった具体例①
幸い、痛い目に合った、というほどのことではありません。
けれどビザなしでカンパニーに押しかけてきて、住民票やワーキングホリデービザの申請など筆者が全部フリーの時間を使ってドイツ語で提出し、やっと認可が降りた朝に市役所からかかってきた電話は、悪夢そのものでした。
役人さん「あっ、川端さん? 今ビザを取りに来たAさんが住民票を抜きたいって言ってるんだけど、何かの間違いよね? ドイツ語じゃないからちょっと意味不明で」
えっどういうことっすか…ちょっと代わってください…。
Aさん「えっとぉ、ビザ取れたみたいなんですけど、やっぱり思ってたのと違うので来週日本に帰ることにしました」
ごめん日本語でも意味不明やったわ…。
ビザあるんだから、ここを拠点にオーディションを回れたりするのに…。人に価値観の差はあれど、もったいないなぁ、と感じたできごとでした。あと筆者の時間ももったいなかったけどな!!!(元気でバレエがんばれな!)
残念だった具体例②
めちゃくちゃ信頼してた友人からの紹介でうちで預かった子が韓国人で、実は英語もドイツ語もほとんどできず意思疎通が図れなかったことがありました。いや…言葉通じないのは先に言おう…?
嫌韓の感情なんて持ち合わせていないし、彼女自身とてもよい子だったので、友人に頼まれた手前出ていってもらうわけにもいかず…。しかし何を食べたいか聞いても応答がないのは、さすがに気を遣いました。
協力するにしても自分の神経をすり減らすべきでないこと、気の置けない友人の紹介でもこういうことは起こり得るのだと学んだできごとです。(元気でバレエがんば以下略)
残念だった具体例③
縁もゆかりもないバレエ少女から突然連絡をいただきました。
内容は、コブレンツの劇場に6週間インターンでお世話になることになったので、その間ホテル以外で身を寄せられるところを探してほしいというもの。
時はクリスマス前。よく自分のアパートの一室を貸し出したりしている同僚などにあたってみましたが「家族がくるから…」とお部屋探しは難航し…。
ようやく見つかってご連絡を差し上げたところ、なんとビザが降りずに予定していた日程で来れなくなってしまったというのです。
『そっか、それなら仕方ないね。先方にはこちらからお断りをしておきますので気にしないでね』
そんなやり取りの中、屈託のない文面でこう返ってきました。
『わざわざ探させておいてすみません!』
えっ…わたし…探させられてた…(´・ω・`)
いや、相手に絶対悪気がないのは分かってるんです! これはただ筆者がめっちゃ小さい人間っていうだけの話なんです!!!笑
こちらが探して「あげてる」くらいのつもりでいたので、探させられてたのはすごい…ショックというか…日本語ってこわいな、私も気をつけよう……な、できごとでした。(元気で以下略)
まとめ
そんな脱力してしまうようなことがちょこちょこありますと、「うーん…この辺でもう恩返しキャンペーン終了してもいいかな!?」となるわけですね。いや、そうならない寛大な方も中にはいらっしゃるでしょうけど。
筆者の体験などとるに足りませんが、酷いしっぺ返しをくらってしまった方などが「もうこりごりだ」と心を閉ざす気持ちはよく分かります。
ですから、海外の日本人は薄情だ助けてくれない、と感じる方には、こちらがまあまあそれなりにハートブレイクしてしまった可能性も心に留めておいていただきたく。
優しいからこそ、時間を割き身を砕いた挙句のあんな思いはたくさんだ、ということもありますので。まあ筆者は優しいのでなく器の小さいだけということが露呈して恥ずかしい限りでございますね。笑
言い訳に長々とお付き合いいただき、ありがとうございました~!
もし「自分もこんなイヤな目に合ったから、もうあんまりお手伝いしたくないの…」というできごとがございましたら、日本国内外を問わずぜひ筆者にシェアして気を晴らしてくださいまし~! それではまた!
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