ドイツからこんにちは! 筆者の川端(@ChihoKawabata)です。今回はドイツ鉄道にまつわるお役立ちネタを記事にしてみました!
意外や意外? 遅延がかなり頻繁に見られるドイツ鉄道(ドイチェ・バーン、略してDB)。
実は最大50%(※80€まで)の損害賠償、つまり返金が望めます。でも親切に向こうから言ってくれることはあんまりありませんので、今まで知らなかった! という方も少なくはないのでは?
ドイツに慣れている方はこの情報だけでも充分役立つとは存じますが、今回は実際の申し込み書も用いて解説いたしますので、英語やドイツ語に不慣れな方にも分かりやすい仕様になっているかと。
用紙も一度書けば、すぐに覚えてしまうぐらい簡単!
遅れた分、戻ってきたお金でぱーっとおいしいものでも食べて、憂さを晴らしちゃいましょう!!
返金される条件
まずは返金される条件から。
- 目的駅への到着が定刻より60分以上遅れたとき=25%の損害賠償
- 目的駅への到着が定刻より120分以上遅れたとき=50%の損害賠償
- 損害賠償額が4€未満のとき=支払われない
たとえば10€の乗車券を例にしてみましょう。
60分以上120分未満の遅れだと賠償額は25%の2.50€ですので、返金の条件は満たしません。120分以上になると50%で5€の賠償額になりますので、こちらは条件を満たします。
「60分以上遅れることなんてそうないでしょ!?」とがっかりされる方もいらっしゃるかもしれませんね。…でも、大丈夫!(←何が?笑)
駅での乗り継ぎができなかったりすると、次の電車がくるのは1時間後…なんてこともローカルだとざらにありますので、案外簡単に条件を満たしてしまいます。
個人的にいちばんがっかりするのは「55分しか遅れなかった…」というパターンですね。これはほんとに遅れ損で、すっごく悔しい気持ちになってしまいます。笑
レールパス(Zeitfahrkarte)を利用の際は、ローカル線か長距離列車か、一等車か二等車か…等で値段が固定のようです。
こちらのページはドイツ語ですがイラストがとても分かりやすく、他のルールも一目瞭然でおすすめ。
返金に必要な書類
そして返金のために必要な書類は以下の通り。コピーでなく、オリジナルを用意してください。
- 記入、及びサイン済みの『Fahrgastrechte-Formular(返金申し込み用紙)』
- ↑は次項で詳しく解説いたします
- 乗車券(※)
- 遅延または運休により、別料金で払っていた予約が使えなかった場合の
- 予約席のチケット
- 自転車持ち込み用チケット
- 遅延または運休により、他の交通機関を使用して目的駅に行った場合の
- 乗車券
- タクシーなどのレシート
- その他別途でかかった交通費が証明できるもの
※乗車券は手元に戻ってこないため、必要であればコピーを先に取っておきましょう。インフォメーションカウンターに提出する場合は、そちらに頼めばしてくださると思います。
※Eチケットで乗車した場合は、その購入価格が記載されたチケットをプリントアウトして提出せねばなりません。そのため短期旅行者はアプリなどのEチケットよりも、券売機で購入する方が話が早いと思います。
※乗車券は必ず購入価格が記載されているものを用意すること。
ちなみに、タクシー料金が損害賠償の範囲に認められるには、下記のいずれかの条件を満たさないといけなかったりします。
- 遅延・運休により
- 目的地への到着予定が60分以上遅れることが確定している
- 終電を逃してしまった
- 到着が0時~5時になってしまった
補償金額は最大80€までといった制約は他にもありますが、詳しくはこちら(DB公式Webドイツ語)のよくあるご質問(FAQ)など参照いただいて。
言語は英語・チェコ語・デンマーク語・イタリア語・フランス語・オランダ語・ポーランド語・スペイン語から選択できるみたい。昔より充実してきましたね。
ややこしくなってきましたが、チケット返金くらいなら乗車券と、今から説明する申し込み用紙を提出するだけ! 提出期限も1年以内と長いので、心当たりのある方は(電車の識別ナンバーが分かっている必要がありますが)今からでも確認してみましょう!
Fahrgastrechte-Formular解説
返金申し込み用紙のことを、『Fahrgastrechte-Formular(ファーガストレヒテ フォームラー)』と呼びます。
本当の訳は、『乗客の権利申し込み用紙』といったところ。使える権利は使っておきましょうっ!
用紙がもらえる場所
コンパートメント内にいる車掌さんか、駅構内のサービスカウンターやインフォメーションカウンターで尋ねてみましょう。
「Darf ich bitte ein Fahrgastrechte-Formular haben?」とかなんとかで通じます。
英語ではこの用紙を『Passengers’ rights claim form』というらしい。
すると、封筒付きでもらえます。郵送する際は、切手を貼る必要はありません。
オンラインではできないの?
ネットで用紙をpdfでダウンロードして書き込みできます。しかしオンライン申し込みには対応していませんので、結局プリントアウトすることにはなります。
封筒に直接印刷するラベルも置いてあります。こちらからぞうぞ。
2021年までには手続きをオンラインで完結できるように、とのことですが、「近いうちに用紙なんか要らなくなるかもー!」と何年も前に報道されて、まだなくなってもいませんので、あまり信用はできない、かも。笑
インターネットプロバイダーの中にはオンラインで請け負ってくれるところもあるようです。
用紙の書き方
筆者はアナログな人種なので直接書き込んで写真を撮ろうかと試みましたが、目も当てられない出来栄えだったものでスクリーンショットを頑張って加工しました。またひとつ勉強になりました。笑
ごちゃごちゃしてますね。分かりにくいかしら…。笑
駅構内のサービスカウンター(インフォメーションカウンターではありません。チケット購入できる『Reise Zentrum』の方)で直接やり取りをする場合は、裏面は実質日付とサインだけでも事足りるはずです。車内での時間を利用して、表面の確定事項からささーっと穴埋めしてしまいましょ!
提出方法
必要な書類が揃ったらあとは提出するだけですね!
- 駅のサービスカウンター(Reise Zentrum)で直接提出
- 全ての書類を入れて郵送(専用の封筒であれば切手を貼る必要はなし)
カウンターに行けばその場で返金してもらえますので、旅行者にもハードルは低いですね♪
まとめ
いかがでしたか? 今年はCovid-19の影響で電車での移動が制限されているとはいえ、ドイツに来たてほやほやの方や、ドイツ旅行を心に決めてくださっている方もいらっしゃるので、そういった方々のためになる記事をと思い書いてみました。
遅延や運休のストレスが、せめて補償で少しでも解消されればよいのですが。
皆さんもドイツ鉄道に乗る際は、充分な食料・時間を潰せるもの・そして用紙を書く用のボールペンをお忘れなく!笑
それでは、また~!
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