ロックダウン中だけど特別にミュージカル『ザ・ラストシップ』をライブ鑑賞できた話

ドイツの暮らし

ドイツからこんにちは! コブレンツという街の劇場でバレエダンサーとして働く、筆者の川端です。

昨日の11月7日の日記として、『ザ・ラストシップ』というミュージカルをライブ鑑賞してきた話をさせていただこうかな、と思います。

舞台裏な日常ですが、お付き合いくだされば幸いです。

ロックダウン下の特別な舞台

「えっ? 今って…劇場も全公演キャンセルされてるんじゃなかったっけ?」

と、首を傾げた方もいらっしゃるでしょう。

仰る通り、ドイツは第2ロックダウンの真っ只中

劇場はおろか飲食店等の営業もされておりませんので、行き帰りの道中も静かなもの…。そんな中筆者は自分の職場である、テアターコブレンツで実施されたミュージカルの初演に足を運びました。

そう。本来ならば昨日が、クリスマス繁盛期を念頭に置いた今シーズンの主役級プログラム『ザ・ラストシップ』の初演日(それもドイツ初公開)となるはずでした。ロックダウンで叶わず残念です。

観客を動員しての初演は先延ばしになったものの、我々は練習を続けているので、初演を身内だけのお披露目会として行った、というわけなんです。

もちろん事前に予約を入れて、席順を簡素な紙に刷り、正面入口のみの入場制限。会のあとの意見交換はなるべく控えて直で帰宅でね…と警告する用意周到ぶり。出演者もソロで歌う箇所以外はまだマスク付きという念の入りようでした。

しかし贅沢な時間だった!! ライブを存分に堪能しました!

しかも周りが身内しかいないので『超巨大ホームシアター』ってかんじ。人目もはばからず音楽にノリノリだったり、ところどころで爆笑も起こるゆる~い雰囲気の中での上演でした。

他部門がゲネプロを解放してるときはごくたまにあれども、筆者は別スタジオで練習中なので行けたためしなどありません。ましてや身内ばっかりこんなに多く集まって鑑賞するなんて…。こんな経験できることってたぶん、昨日限りだったんじゃないかしら。

そして終わってから気付きました。

「この状況下で今晩ライブ鑑賞できたのって、ドイツ中でも我々だけだったのでは?」と。

ほんとに何からなにまで珍しいというか、貴重というのもなんですが、『激レアな体験』になったことは間違いないですね~!

休憩込みで3時間ってかなり満腹になりそうなものですが、曲やテーマが良かったからかな。最後まで楽しめました。

全編通して『明るい』とは言い難いテーマですが、作品から漂う閉塞感が現実の状況下にぴったりマッチしていたような気もします。

少しではありますが、この作品をご紹介させていただきたいと思います!

The Last Ship

このミュージカルはブリティッシュ・ミュージシャンであるスティングによってミュージカル化を前提に全曲書き下ろされたもの。

スティングは「Englishman in New York」という曲が年齢層も幅広く知られているかな? と思います。30代以降には馴染みある方も多いでしょう。

物語は、彼の実際のルーツを基に描かれています。

舞台は北東アイルランドの、造船を生業とする労働者たちが強い結束力を示す田舎町。

主人公のギデオン・フレッチャーは自身の父親や他の男と同じ道を辿ることに疑問をもち、家族やガールフレンドを一切絶ち切って船に飛び乗ります。要は自分探しの旅ですね。

17年後彼が故郷に戻るとそこには、不況を受けて潰れかけの造船所・連絡ひとつよこさなかったことに当然ながら恨み節の元ガールフレンドであるメグ・そして16歳になるという彼女の娘…えっそれって自分の娘ってことじゃん!! のエレンがいます。

「作りかけの船を解体せよ(意訳:あんたら全員用済みじゃい!)」とのオーナーそして政府の命に反発し、「我々はこの町の労働者の矜持にかけて、我々の仕事を全うするのみ!」と最後の船を完成させます。それがイギリス造船業の価値、そして町の威信を象徴する船になると信じて…。

その町に生まれたということが人々を強く結びつける。しかしその結びつきは同時に、その地に縛り付ける鎖にもなること。ギデオンとエレンの邂逅により、メグの孤独と強さも明らかになっていく。

自由とは。労働とは。自立とは。…自分の在り方について、改めて深く考えさせられます。

そして口をマスクで塞がれた労働者。「値打ちは、どれだけ価値があるかだ! どれだけ金がかかるかってことじゃない!!」という叫びはこの状況下でダイレクトに心を抉る…。逆にマスク有りで上演した方がいいんじゃないかと思うほど。

ケルト音楽にインスパイアされた楽曲も個人的にすっごく好みでした。特にタイトルにもなっている『The Last Ship』はすごく引き込まれ、生のコーラスは迫力を増して冷たい大波のように迫ってきました。

2014年のブロードウェイではスティング本人が代打で歌ったようです。さぞかしかっこよかったことでしょう。聞いてみたかったなあ。

彼のルーツとキャリア、そして舞台芸術とが素晴らしく調和した大作です。曲だけでもぜひ聴いてみてほしいな。たぶんこういうときにアフィリエイトリンクを張るんだろうな。我ながらよくできた広告だ。笑

まとめ

日記に最後までお付き合いくださりありがとうございました。

同僚のダンサーが5人も出演しているにしてはダンス要素は今回すこし物足りませんが、見応えのあるミュージカルです。

12月、ロックダウンが解除されるかどうかはまだ分かりませんが…。できるだけ沢山の方がコブレンツに足を運んでくださったり、この作品がこれからドイツでも広まっていくことを筆者は願っております!

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