こんにちは! ドイツの劇場でバレエダンサーとして働く、筆者の川端(@ChihoKawabata)です。
バレエは、考え方をすこし変えるだけで驚くほどやりやすくなるもの。
筆者のアプローチがそのままあなたの身体に合う、とは限りませんが…
それでも記事を読んだ方からは「こんなにラクに脚を上げられるなんて」「すぐに身体のラインが違って見えた」など嬉しいコメントもたっくさんいただいております♡(Twitterさまさま)
こちらこそまだまだ勉強中の身ですが、大変ありがたいことです…!
「できるだけかんたんに、おもしろく」を目指して書いていますので、分からないことがあったら教えてくださいね。(おい、すべってんぞ!ってネタも恥ずかしいからこっそり教えて笑)
今回のテーマは『腰・お腹を引き上げるコツ』♪
『腰を引き上げる』――
『腰位置を高く』――
『お腹を落とさない』――
あやふやバレエワード三銃士として名高いそれらの言葉をご説明するため、今まであえてその言葉を封印したまま様々な記事を書いてきました。
そう。全ては今日と言う日のための、下準備だったのです…!!
機は熟しましたよ、みなさん!!!
川端千帆プレゼンツ☆アンブレラ式引き上げ
ぜひ読んでってくださいまし♡
腰を引き上げるための前提
まず、腰を引き上げるためにどうしてもおさえておいてほしい前提だけ紹介させてください!
最低限この4つを読んでないと、読み進めたとしても分かりづらい感覚が出てくると思います。ですので、ぜひよろしくお願いいたします。
①足で床を押す感覚
②足から骨盤までを繋げる感覚
③骨盤の傾きを安定させる感覚
④腰を引き上げるとは具体的にどういう状態かについて
早速、引き上げていこう!
早速、腰を引き上げる方法について考えていきましょう!
上体と脚のあいだにあるゆとり空間をなるべく確保して、潰さないことが重要なんでしたよね。
どうしたらいいか、なにかアイデアは浮かびます?
「腰の部分を風船みたいに膨らませたらどう?」
おそらく真っ先に思い浮かぶのは、このアイデアじゃないかな。
でもね、それはしない方がいい。だってお腹パンパンだったら踊りにくいもん、普通に。笑
その球体に入れるイメージがたとえ空気だとしても、空間は作るというより、圧迫されていることになる。それとは、ほんの少し違う感覚なのです。
パーツで見ると、球体と骨盤が『腰』ってことなんだよね。
じゃあヒントを出そう!
腰を貫く芯はな~んだ?
貫く芯、って言われたらかんたんすぎかな♡
そう、この腰のパーツには中心ではないにしろ、背骨という芯が通っているんです!
だったら、
背骨を長くするだけで、圧迫感なく腰のゆとりを確保できる
ってことだと思わない?
…でも、どうやって長くする?
言わずもがな骨の大きさは、天才だろうが超人だろうがコントロールできないですもんね。笑
けれども! けれどもよ。
幸い、背骨ひとつひとつの合間にもゆとりがある。(それはもちろん、背骨を自由に曲げたりできるようにね)
そのゆとりの長さを調節することはできるんじゃないかな?
だってそのゆとりの長さを決めてるのはなんたって、筋肉の長さだからね!
背骨同士を繋いでいる筋肉を伸ばして、球体を貫く芯の長さを確保する
うん、これだったらできそうな気がしてきましたね! この方法でいきましょう♪
『アンブレラ式』引き上げ
さくっとコツをお伝えすると、筆者がおすすめしたいのは
『アンブレラ式』!
アンブレラ、英語で傘のことですね。
体の使い方を傘に見立てて、芯を長くしていこう
…と、つまりそういうことでございます!
「えっ、傘でよくない? アンブレラって…気取ってるの? ねえねえ気取ってるの?ツンツン♡( *´∀`)σ”)´Д` )
理由はちゃんとあるから、つんつんせんといてー!笑
洋傘と和傘では手で持つ部分(ハンドル)に差があります。
今でこそ傘のハンドルはステッキのような「Jの字」を連想する方のほうが多いかもしれませんが…。
和傘の「Iの字」ハンドルと区別するため、一応、アンブレラということにしておきました♪
傘のハンドル
まず傘のハンドル部分がどこなのかをイラストで見ていきましょう!
分かりやすいので、横からの視点で。
こちらは骨盤を縦半分に割り、中心から外に向かって見たときの断面図。
恥骨、坐骨、仙骨と重ねるように「Jの字」のハンドルを置くと…
こんなかんじ。傘なんてすぐ風であおられちゃうから、しっかり握っておかないとってなるよね。
足の裏~骨盤(恥骨・坐骨・仙骨)までの感覚がはっきりしているからこそできることです。(だからあの前提は絶対必要なんよ~!)
つまり、傘を開くように
傘のハンドルを固定したら、背骨を傘の棒に見立てます。
仙骨は今までの記事を読んでるから、どんな骨か分かるよね。
背骨の終わりのハート型の骨…いや、今回の場合は始まりと言ったほうがいいかな? 仙骨がスタート地点。
そのまま傘を開く要領で、じっくり上に押し上げよう!
背骨のカーブ? そんなの関係ねぇ!!! とにかく長くすればいい!
昇竜拳のように力強く、相手をKOしたときみたいにスローモーションで突き上げるんだ!!(分かる人にしか分からんwww)
下は楽勝でも、上のほうになってくるとかなり抵抗を感じるはず。
みぞおちの高さまで頑張って引っ張って、そこで留めておこう。傘がそこでカチッとロックがかかるみたいにね♪
傘の先端は?
「どうしてみぞちの高さまでなの? そしてなぜ傘の先端にあたる部分は細くなってってるの?」
と疑問に感じたあなたの着眼点は素晴らしい!
下から上に押し上げたエネルギーはここで完全に止めると滞ってしまうから、逃げ道を作ってあげるんです。
ファッションではないけど、いわゆる『抜け感』みたいなもの。
お習字でいう『はらい』みたいな感じですね。
「永」の字を書くときの、いちばん最後の右払い。グッと筆を押し広げてから、右に向かって力を少しずつ抜いていくでしょ。あの感覚にそっくりです。(この日本ならではのたとえ、なんかいいね♡笑)
それに、背骨のゆとりは伸ばしたいにしろ、首の下きわっきわまでガッツリ力を入れてたら上体をひねったりしづらいし、バランスも正しく取れないからさ。
関連記事:【バレエ】『首』に気をつけると、正しくバランスを取る練習ができるよ~!!
だから、みぞおちの高さまではアンブレラで昇竜拳。そこから上は、草を背にして眠る小さな妖精さんくらいファンシーな抜け感があれば、自然とデコルテにスポットライトがあたるような角度に導かれると思います~♪(上と下で世界観にギャップがありすぎる)
「上げる」と等しく大切な「おさえる」
どうしてハンドルをおさえておく意識が大切なのか?
背骨の骨同士のスキマを長くしようと思ったら、上下に引っ張り合わないといけないわけですよね。
骨盤をおさえておく意識がないと、どうなってしまうかといえば…
たとえば「椅子の背を持ち上げる」と想像してみてください。
座面(骨盤)がナナメになって、脚まで浮いてしまいますよね。
そうではなく、骨盤をしっかりおさえておくからこそ、
①アンディオールできる骨盤の傾きや、足からのエネルギーを流れさせたまま
②背骨を伸ばして腰にも空間を確保しておける
骨盤より上にも下にも良いことばかりなんです♪
引き上げる、という言葉の「上げる」ことについつい意識を奪われがちですが、しっかりと「おさえる」ことも注意してみてくださいね。
まとめ
今回は『腰の引き上げ』実践編でした。おつかれさまでした~!
アンブレラ式腰の引き上げはいかがですか? 背骨同士を伸ばしただけなのに、他の様々な筋肉まで伸びている感じがいたしますよね♪
かんたんにおさらいしておくと、
恥骨・坐骨・仙骨を傘のハンドルに見立てる(下でおさえておく)
棒(背骨)にそってまっすぐ、傘を開ける要領でじっくり押し上げる
みぞおちの高さで傘をロックし、そこから上はお習字の『はらい』のように少しずつ力を抜いていく
あ、こちらはもう耳タコでしょうけれど…
一言申し添えておきたいのが、筆者の考え方のせいでお教室の先生とトラブルになってしまうことは避けてほしいということ。「いやドイツのプロダンサーがこう言ってましたんで!」みたいな、先生からしてみれば「じゃあ来なくていいです!」と返したくなるような感じ悪~い言い方は絶対絶対やめてくださいね。「あ~少し試したいことがあるんです~」くらいぼやぼやにぼかしてください。笑
あなたの腰が数ミリ伸びるだけでも、体の自由度は違ってきます! 筆者を信じて傘を差してね♡ それではまた~♪
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