こんにちは! ドイツの劇場でバレエダンサーとして働く、筆者の川端(@ChihoKawabata)です。
Twitterで筆者は様々なジャンルの方と繋がらせていただいておりますが、最近ではバレエを習ってらっしゃる方もフォローしてくださり、「お勉強させていただきます!」とご丁寧にメッセージをいただくようこともあります。
こちらこそまだまだ勉強中の身ですが、ありがたいことです。筆者の考え方が、少しでもご参考になれば嬉しいです!
今回は「仙骨と尾骨」についてお話しいたします。前回の基礎編では骨盤の位置を整えましたので、そこから更に一歩進んだところ、ということですね。
…いま気付いたけど「仙骨と尾骨」「天国と地獄」で韻が踏めますね。笑
でもほんと、この意識があるか否かでは、天と地ほどの差があります!「仙骨・尾骨を制する者はバレエを制す」のタイトルは、はったりじゃないんです~!!
こちらの前編では主に、仙骨の重要性を。後編で尾骨の意識の在り方について解説していきますね。
速く正しく上達したい方は読むべし! です♡
仙骨と尾骨ってどこ?
まずは位置ですが、こちらの骨盤周辺のイラストの赤い部位が『仙骨』で、仙骨の下に連なる黒いのが『尾骨』です。
このように背骨の終わりに、まるでハート型のようにくっついていますので、目では見えなくてもイメージはしやすいかと思います。
なぜ重要?
仙骨と尾骨がなぜそんなにも重要なのか? その理由は3つあります。
①腰椎・背骨をすぐ両隣で支えている『胸最長筋』が、仙骨を始まりとして首の根元まで続いているから
②おしりの一番大きな筋肉『大殿筋』と繋がっているから
③太ももの大きな骨『大腿骨』と、たくさんの筋肉で繋がれているから
名前は覚えなくてもいいのよ。単に「めちゃ長そう!」「すごい大きそう!」と感じていただくために書いただけだから。笑
そう、実際どれも大きなパーツだからこそ必然的に、動きにも大きく影響してくるわけです。
逆に言えばこの2つの骨をうまく意識するだけで、下半身の動作はびっくりするほど向上しちゃうってことです…!
なにそれっ、どう意識すればいいの!? 早く教えてー! って感じですよね!
すっごく簡単だから、焦らなくても大丈夫。次の項目から、どういうふうに意識していくかご説明しますね。
仙骨はどう意識すればいい?
時に皆さん、こちらの骨盤の正しい位置・傾きを知る記事は読んでいただけましたか? まだの方は要チェックです。この骨盤の位置を掴んだ先に、仙骨の感覚がありますので。
その時に使用した姿勢が、こちらでしたね。
①仰向けに寝る
②膝を立てる(足はおしりの近くだと分かりやすい)(両足の間隔は骨盤の広さに開け、膝同士もくっつけず平行を保つ)
③肩・背中・腰・おしりの真ん中位までを隙間なくべったり床につける
④おへそを背骨のほうへできるだけ近付ける(強いゴムでまとめられているみたいに)(呼吸はおへそより上だけでもできます)
この骨盤の位置ですと、その仙骨周りの筋肉が縮こまらず四方八方にじわ~っと広がっていくような感じがいたしませんか?
リラックスしている、ゆるゆるに緩まっているというのとは、また少し違った感覚ですよね。まるで太陽が光を放つかのごとく放射状に、仙骨からエネルギーが放出されていると思います。
この『広がっていく感覚』をキープしながら立ち、動くこと。それが全てです。
……。
…あっ、もしかして続きの言葉を待ってますか? ほんとにこれだけですよ!
たったこれだけを、プリエから、デガジェ(タンジュ)、ジュッテ、ロンドジャンプ・アテール&アンレール、フォンデュ、フラッペ、アダージオそしてグランバットマンに至るまで全て。
バーからセンターに移っても同じこと。ルルヴェしながら、跳びながら、回転しながら行ってみてください。
ねっ、(説明は)簡単でしょ?笑
腑に落ちませんか? けれど理由は、既にお伝えしています。「仙骨が大きなパーツに繋がっているから」です。
私たちは特に、跳んだり回ったりといったテクニックの直前――要はプレパレーションの段階で――この仙骨付近をついつい縮めてしまいがちです。その結果、仙骨と繋がる主要な筋肉もゆがんでしまい、バランスが崩れる。
おしりや背中が歪むのは、仙骨のせいです。あなたのせいじゃありません。罪を憎んで人を憎まず…。寛大な心で、仙骨に更生するチャンスを与えてあげようではありませんか。
さて、次の項目からは仙骨を広げて使うメリットを、具体的な例と共に挙げてゆきますね。
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