【バレエ】仙骨・尾骨を制する者はバレエを制す【前編】

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仙骨を広げて使うメリット

仙骨を広げて使うメリットはたくさんありますが、せっかく先ほど仙骨・尾骨と繋がっている筋肉や骨のお話をしたことですし、その観点からも見ていきましょう!

後ろにカンブレができる

メリットその1

後ろにカンブレ(ポーデブラ)ができるようになります

ええ、マジです。できるようになります。

カンブレは柔軟性でするものではないのは、皆さんも薄々感じてますよね? だって柔軟性だけでしてしまうと、起き上がってこれませんもんね。

そこで必要になってくるのが仙骨から首の根元まで繋がっている、長~い筋肉『胸最長筋』

カンブレの際に仙骨が縮まると、骨盤も後方に引っ張られ、いわゆる「反り腰」になってしまいます。こうなると胸最長筋も短く縮まるばかりで、上体を支えてはくれません

仙骨を広げると、胸最長筋の長さが保たれたまま強く反れるので、呼吸すらしながらカンブレをすることが可能になるのです。

ほら、先生に「背中を折らないで、遠くにカンブレ」って言われません? それは、背骨とほとんど同じ長さもある胸最長筋を、最大限活かしましょう! という意味なんです。

その意識はどこから? 仙骨から。(風邪薬のCMか)

長く伸びたアラベスクができる

メリットその2

長く伸びた美しいアラベスクができるようになります

アチチュードもまた然り……ってなんて目でこちらを見てるんですか。いやいやほんとですよ。流れ星よりかは高確率で、あなたの願いを叶えてあげられますよ筆者は。

アラベスクは、ひとつ前に説明したカンブレが片脚になっただけ、とも言えるので胸最長筋も関係してくるわけですが、今フォーカスしたいのは大殿筋です。おしりの筋肉ね。

仙骨が縮まっていると、当然大殿筋も縮まってしまうわけで…。おしりが硬くなっちゃうんです。

「えっ? おしりはずっと締めて硬くしておくものでしょ? アラベスクの脚っておしりの筋肉でキープするんじゃないの?」

いやーそれがね…実はそうでもないんですよね。

と言いますのも、おしりを硬く締めると、太もも全体にもう既にぎゅぎゅっと力が入ってしまってるでしょ? その脚動かすの…重いでしょ? せっかく骨盤の位置を見直して、ポジションで立ったときに「長く軽く」なった脚が…もったいない…。

そうです。変な表現かもしれませんが、実はおしりも「長く軽く」使えるんですよ。

アラベスクに脚を上げるとき、先におしりに力が入るとなかなか上がりません。だけど仙骨広く、おしりを長く保ってつま先から上げると、すっと上がるんです。

ちなみにこれね、腕でやっても同じですよ。先に肩に力を入れちゃうと腕は後ろに上がりませんが、指先から遠くに引っ張りながら上げると楽々上がります。不思議ですよね~。

その時の肩は、ちょうど股関節にあたります。つまり股関節がブロックされてないから、脚の可動域がぐんと広がるってことなんですね。

で、これも大事ですが今度逆に脚を下ろすときは仙骨と、骨盤の傾きから真っ先に戻していく

足から下ろすと、おしりが上に残ってしまいますよね。それを防いで、軸足を長く保つためです。

かま足にならない!!!

何より、こうして脚をアラベスクに上げると、かま足にならない!!!

それもそのはず。極端に言えば、おしりから上げる=おしりが一番高い位置にあって、あとは下がっていくだけ。

ですがおしりを下ろして足から上げると、今度は足がいちばん高い位置にくる弓なりになったアラベスクのできあがりです。

近くに鏡はありますか? 早速やってみたくて、うずうずしてきましたよね! わかる!!

その意識はどこから? やっぱり仙骨から。(しつこい)(けど大事やから)

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ターンアウトが楽々できる

メリットその3

ターンアウトが楽々できるようになります

もう皆さんが泣いて喜ぶ姿が目に浮かぶようです。くるしゅうない。おもてを上げよ。

仙骨と大腿骨と繋げている筋肉たちは、脚のターンアウトを司る筋肉でもあります。

だからね、仙骨を広げると、それはもう気持ちいいほど脚がスパコーン! と開くんですよ。脚そのものを全身全霊で、もう己の命をかけて歯を食いしばって血眼になって開かなくたって、仙骨を縮めさえしなければ勝手に開く位置になってるんです。

さっきのアラベスクと全く同じ原理ですが、股関節がブロックされてしまうと筋肉もそれ以上働けなくなってしまう。筋肉を働かせるには、筋肉を解放することが大切。それってもう愛ですよ。縛り付けると、相手は身動きがとれなくなって、お互い苦しいだけ…。筋肉を信じたら、筋肉もあなたに応えてくれるのです…。…私はなにを言うとんのや…(ツッコミ不在)

とにかく! その意識はどこから? そう、仙骨ですね!

背骨の終わりの、かわいいかわいいハートちゃん。束縛せずに、解放してあげてください♡ そしたら仙骨もあなたを信頼して、あなたを自由に踊らせてくれるんです。

後編へつづく

仙骨と尾骨の意識、今回は主に仙骨についてお伝えしてきました。

おしりや背中が歪まず、後ろにカンブレもできる。アラベスクのラインが美しくなり、長年頭を悩ませていたかま足からも解放され、脚も勝手にターンアウトになる。

丼いいこと全部のっけか? と思うぐらい贅沢に、いいことづくめですね!

いかがでしょう? 試してみたくなってきましたよね?? 次のレッスンと言わず、もう今すぐ試したくなっちゃいますよね♪

あ、けれど…

一言申し添えておきたいのが、筆者の考え方のせいでお教室の先生とトラブルになってしまうことは避けてほしいということ。「いやドイツのプロダンサーがこう言ってましたんで!」みたいな、先生からしてみれば「じゃあ来なくていいです!」と返したくなるような感じ悪~い言い方は絶対絶対やめてくださいね。「あ~少し試したいことがあるんです~」くらいぼやぼやにぼかしてください。笑

話が逸れてしまいましたので、今日のおさらいだけもう一度!

仙骨は大きい筋肉や骨と繋がっているので、動きにも大きく影響を及ぼす

仙骨を広げて使うことで、主要な筋肉が本来の力を発揮できる(例:カンブレ、アラベスクやターンアウトなど)

次回は尾骨について。

跳んだり跳ねたりといったテクニック系のプレパレーション時、身体の歪みを防いでくれるのは、尾骨の意識です。お楽しみに!

あっ。フェッテ編楽しみにしてくれてた方、ごめんね! やっぱりこの仙骨と尾骨抜きには、何も語れないと思ったんです!汗

ちなみにフィードバックなどいただけると、筆者とても喜びます。それではまた~!

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