こんにちは! ドイツの劇場でバレエダンサーとして働く、筆者の川端(@ChihoKawabata)です。
いやー、世はクリスマス一色ですね! そんなの関係ねぇ! という方もいらっしゃるでしょうが!
今年は新型コロナウィルス感染者数の増加を受けてドイツ恒例クリスマスマーケットも開催されず、ありえないほど閑散とした12月でした。けれどもみなさんクリスマス本番はいつも通り、それぞれの家庭でゆっくり過ごされていることと存じます。
つきまして今回は、クリスマスにちなんだドイツの面白い慣習をご紹介したいと思います~!
ドイツのクリスマスプレゼント交換会
ドイツ人は一般的に「ケチ」だとされています。よく言えば「倹約家」。無駄な消費を極力抑えて、本当に大切なものに使いたいという考えが根底にあります。
そのため新しい物を買うより先に、中古で売りに出されていないか見てみたり、廃品回収のため道路脇に出されているものは、数時間後にはかっさらわれていってたりします。蚤の市も各地で行われ、毎回盛況なんですよ。
つまり自分にとっては必要のなくなったものでも、誰かにしてみればお宝ほどの価値ということもあるのです。
そんなモットーから生まれたドイツのクリスマスプレゼント交換会。
それが『Schrottwichteln(シュロット ヴィヒテルン)』です。
ヴィヒテルンってなに?
ヴィヒテルンはいたずら好きの小人さん。上の画像のようにとんがり帽子を目深に被り、白ひげをもっさりたくわえた、おじいさんのような妖精です。
このヴィヒテルンという言葉はそのまま、プレゼント交換会を指してもいます。この交換会での醍醐味はなんといっても、プレゼントの送り主が誰なのか明かされない点でしょう!
最初にプレゼントを一カ所に集めておいて、くじやミニゲームで勝った人から順にプレゼントを取っていくのです。
ヴィヒテルンのいたずらのようにユーモアに富んだ、個性的なプレゼントで相手の笑顔を引き出せたら大成功! それを送り主だけがこっそりと見届けるのです。なんだか風情がありますでしょ?笑
シュロット・ヴィヒテルンは?
『Schrott(シュロット)』とはドイツ語でがらくた・廃品などを表す言葉。
つまり、ヴィヒテルンで交換するプレゼントを、自分の生活の中で不要になったもので行うもののことを指します。
もちろん、壊れて使えなくなった本物のがらくたを贈るわけではありませんよ! 使えるけど使い道がないものや、趣味が変わって家に置いておくことができないものなど…。いわば捨てるにはあまりに忍びないものがこの交換会で陽の目を見るというわけです。
筆者も、今年以外は毎年してたんですよ。クリスマス前に上司がご自宅にバレエ団全員を招いてくれるので、そこでこのシュロット・ヴィヒテルンが開催されていたので。
きれいに包装されていても、中身は珍妙なものばかり。選ぶときはついついプレゼントの大きさ、触感、重さなどを慎重に見比べてしまいます。
開けたときに「なんじゃこりゃー!?」とみんなで笑い飛ばすのがメインの余興ですから、酸いも甘いも噛み締められる大人向きの行事でもあります。笑
光るサンタや、芸術的なガラスのオブジェに、持って帰るのが苦でしかない巨大フォトフレームなどなど…白目を剥くようなものもあれば、シャワージェルやミニ裁縫セットなど、まだ嬉しいと思える部類のものも。そして誰かが元彼からもらったのであろうパンダのぬいぐるみなど、少し複雑な心境になるものまで。笑
プレゼントが行き渡ってから一斉に開封するので、色んな悲鳴がそこかしこで上がってほんとに面白いですよ~!
ちなみに、どんなゲームにも「そこだけで適用されるルール」なるものがあるでしょうが、うちの場合はここから更にゲームをしてプレゼント争奪戦が繰り広げられるんです。天国から地獄に、というどんでん返しもあり大変ドラマティック。真の勝者は誰なのか、果たしてよく分からないところがまたいい。
筆者の今までの戦利品はこんなかんじです。
チーズ作るキット! 2年前にもらったのに、まだ作ってない。(結局そんなもんよ笑)
キリンさんの…えっと…オールインワンって言ってしまっていいのかこれは?笑
開けた時はフリーズしたけど着てみるとあったかいフリース。
30代の自分がキリンを着ているということを頭から追いやれば、かなり重宝はしています。
あと駒の足りないバックギャモンがあったのだけど、写真を撮るのを忘れてしまった。木の細工がとても愛らしく、アクセサリー入れとして使っています!
まとめ
物はできるだけ長く、大事に使ってあげたいですよね。
「自分はもう要らないけれど、誰か使ってくれるかも?」
と考えた時に、メルカリなどのフリマアプリで出品することも珍しくはなくなった現代。
ドイツではクリスマスの時季に行われるプレゼント交換会『シュロット・ヴィヒテルン』で、まさかまさか余興として楽しまれているのでした!
この記事もみなさんに楽しんでいただけたのなら嬉しいです。どなたさまもメリークリスマス! それではまた~!
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